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針金虫

プルルル,,ガチャッ、「はい、もしも・・・」その言葉を遮るように男は言った。
「私だ・・神だ。アイシングの用意をしてくれたまえ。15分後にそちらにつく。」
「え?自分でやればいいやん!」
神経質そうな女の声が受話器越しに聞こえてきた。恐らく忙しいのだろう、何か口に含んでいるかのような話し方だ。
「いいから用意しろ・・」
男は女の話しには一切耳を貸さず、口調を強めながらもう一度言った。
「いいから用意しろ・・神は二段、いや、ハリガネムシを登ったんだ!」
受話器の向こうの慌てぶりが見て取れるようだった。言葉は聞き取れなかったが、女は藤原竜也並みの奇声を発しながら狂喜乱舞しているようだった,,

その電話から遡ること3時間前、恐らく午後4時過ぎだったろう。
男は集中していた・・丹念に岩に付着した炭酸マグネシウムを落としながら覚悟を決めたように言った。
「次をラストトライにする。」
男に二言は無いとばかりにTシャツを脱ぎ捨てスタートに取り付く。
僕はただ見守るしかなかったが、少しだけ帰る支度を始めた。
そして運命のトライ・・一手目完璧・・ずるっ、、まさかのスリップ。終わった・・・僕はそう思って後ろを振り返りかけたその時、何事もなかったかのように男はもう一度スタートからトライを始めていた…
(ラストトライじゃねー)内心そう思いながらも口からガンバという言葉が無意識に発せられた。クライマーの性だろうか。
お世辞にも完璧なトライとは言い難かった,,一手、一手が少しずつずれているそんな感じを受けたのだが、男は落ちなかった。そして核心のランジ!!指先が飛び先のガバへかかった。脇は上がり、息も絶え絶えであったが、ガバをなんとかマッチし、最後の4級を普段は出さない高い声を上げながら登っていった、、言葉は出なかった。涙で口が塞がっていたから・・・岩の上に立つその姿には射すはずのない後光が射してみえた。
「おおっ、神!我らの神!!」

神の名はリーダー、我らオマルの指導者にして最果てへの運転手(みちびきて)…









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